第4話 建物の寿命という健康

シリーズ「健康住宅の基本」全13話  no.4

家族の住まう建物は、毎日の家族の生活を支える最も小さい環境といえる。この住まいという環境を健康に安全に保てなければ、そこに暮らす家族の健康もおぼつかなくなる。 

日本人の寿命は長くなってきているが、一方、建物の寿命はどうか。寺社仏閣、古い農家や民家に代表される日本の木の建物は総じて長寿命だ。 

一般的にはそうした印象が強いので、現在の木造住宅も長く持つという印象になりがちだが、現実は真逆なので残念な限りだ。最近の日本の家は26年位で建て替えられていると言われている。アメリカで44年位、イギリスでは75年位と言われているので、比較にならないくらい大きな差がある。その原因は、国民性や住宅流通の未整備、間取りや建築工法など技術的問題、住まってからのメンテナンスなど多岐にわたるだろうが、ここでは単純に建物そのものの物理的寿命という観点から考えてみたい。 

建物の物理的な寿命を考えても、その要因は極めて多いので単純ではない。コンクリート造りなのか、鉄骨なのかツーバイフォーなのか、各種プレハブなのか、在来木造なのか、木造りでも集成材なのか無垢の木なのか、金物工法なのか、要素が多すぎて一筋縄ではいかない。しかし、どのような住宅を建てたとしても共通したことがある。それは極めて当たり前のことだが、日本の国土に建つということだ。 

ここから読み解けば、どの住宅にとっても当てはまる要因が見つかるはずだ。住宅の物理的寿命と関連している日本の国土の特徴は、高温多湿といわれる日本の気候風土だ。日本列島も南北に長く、四季の大きな変化もあり、日本海と太平洋に面しているので、気候風土を単純に論じるのもためらいを感じるが、北海道の一部を除いては、基本的に「高温多湿」がその特徴をなしていると言ってもいいだろう。 

住宅の物理的寿命には、湿度が大きく関係している。水蒸気すなわち水分が空気中に多いという事をしっかりと認識して家を建てなければいけないことなのだ。昔の寺社仏閣、農家や民家などは、しっかりとその認識の上にたち建物をつくっていた。吉田兼好法師の徒然草にある「家のつくり作りようは夏をむねとすべし」は、まさに、このことを表している。夏を旨とする、それは風通しのいい家をつくりなさいという事に他ならない。 

木は風通しのいいところに置かれれば、その天寿を全うする。この原則で建てられた昔の建物が100年を超えて長持ちしているのは、その理由による。 

しかし、冬はとても寒かった、吉田兼好はそれを「冬はいかなる処にも住まる」住むことができると切り捨てているが、現代人はとても冬の寒さには耐えられない。結局、断熱が強固になり現在の高気密高断熱住宅になってくる。その過程で、建物の風通しがなくなるという負の遺産となり、土台や柱そして梁などの構造材に流れる空気が当たらなくなった。そのことが住宅の物理的寿命を格段に短くしたと言える。 

お客様の声

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