ホリスティックな家づくりとは何か。
違う観点で整理してみたい。
ホリスティックとは総合的、統合的そして全人的といった意味合いである。
これを家そのものと、家をつくり上げる人という面で考えてみる。
まずはホリスティックな家。
いい家を望むならば、それは総合的な技術がまず必要だ。
土地を見る眼。
建て主の生活を生かす間取り・空間構成。
建て主の感性を実現するデザイン力。
空間を構成する力学的構造設計。
材料や素材を選ぶ知識。
それを加工したり施工したりできる磨かれた技。
現場を進行させる管理能力。
など、総合的な技術力が求められる。
そして統合的な家づくりのまとめ方。
総合的技術力があってもそれをどうまとめるかが、統合的なセンスである。
実はこれが難しい。
様々な技術があふれんばかりにある時代である。
それらの技術を、筋を通してまとめ上げていくことが、統合的ということだ。
要するに、それはどういう価値観でまとめあげるかということ。
その人の人生観、生き方そのものを表わしている。
家づくりに即して言えば、
大手のマネをするのか、独自にいくのか。
機械や薬剤頼りでまとめるのか、建築的手法すなわちパッシブにまとめるのか。
既製品でいくのか、手づくり的にいくのか。
集成材で行くのか、無垢の木材でいくのか。
企画型でいくのか、オーダーでいくのか。
ローコストにまとめるのか、適正価格にまとめるのか。
家づくりを食べる手段として考えるのか、生き甲斐と考えるのか。
流れる空気の家づくり、
PAC住宅は次のキーワードで家づくりをまとめている。
建て主が主役。
顔の見える関係。
買う家ではなく、つくる家。
建築的手法。
自然を生かす。
パッシブソーラー。
国産無垢材、自然素材。
家族仲よく。
広がり空間。
健康住宅。
健=建+人。
流れる空気にふれさせる。
など。
これらのキーワードを軸に、家づくりをまとめあげてきている。
そして、全人的な家づくり。
仲間づくりが必要となる。
家づくりは、幅が広く奥行きも深い。
統合する哲学がはっきりしてくれば、自ずと必要になる総合的技術情報も集まってくる。
しかし現実的には、一人の人間がこの膨大な情報をまとめ上げることは大変なことだ。それぞれに深い認識と経験がいる。
多くの人の知識と知恵が背景に積み上げられていなくてはできないことだ。
ではどうしたらいいか。
それは、良い仲間を得ることに尽きる。
価値観を共にし、一つの軸にまとめ上げられた仲間がいるグループに、素直な気持ちで参加することだ。
価値観は様々である。
自分に合った、身の丈に合った仲間づくり。
そこに「成功」と「生き甲斐」と「貢献」の可能性がある。
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