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一戸建て住宅も、マンションも
住まいづくりの流れは、大きくリフォームに向かいはじめたようだ。
それは、現在暮らしている住まいをリフォームするという事だけではなく、わざわざ中古の住宅を購入して、自分の思うように改造するという動きも大きくなっているようだ。
それも一戸建て住宅ばかりではなくマンションにも及んでいる。
従来リフォームというと、水回りなど部分的な改修が多かったが、最近は、スケルトンリフォームと言って、骨組みだけを残し、間取りからやり直すという本格的スタイルものも多くなってきている。
まだ使えるものを大切にしようというエコロジー時代の空気が背景にあるかもしれないが、新築よりも、コストが安くなるだろうという思惑も当然にあるであろう。
それにもかかわらず、これまでのリフォームでいつの間にか、新築する以上のお金をつぎ込んでしまったという話は結構聞く。
そこまでかける気持ちは、最初からなかったのだけれど、気づいてみたら、ずるずるとお金をつぎ込んでいたという話だ。
どうしてそうなってしまったかは、様々な理由があるのだろうが、大きくとらえると二つの要素がある。
一つは、開けてびっくり玉手箱。
二つは、きれいに、の連鎖反応。
開けてびっくり玉手箱は、もう、お分かりでしょうが、改修部分を取り壊してみたら、それに連なる改修計画に予定されていない箇所の腐りやシロアリ被害が発見されてしまい、放っておくわけにはいかなくなってしまった結果である。
築後二、三十年まさかそこまではと、事前に詳しく調査しなかったという事もあるし、床下や天井裏にも入れない家の建て方で中身は見られなかったということもある。
そこでやめるわけにもいかず、ずるずると改修箇所が広がってしまったという、笑うに笑えない話だ。
一部をきれいに使いやすくした結果、他の空間が、古く感じ、薄汚れて見えてしまう、しかも使い勝手も悪いという事に気づかされ、次はここ、次はここと、リフォームが広がっていき、いつの間にか、相当部分をやっていたということだ。
こんなんじゃ建て替えられたね、と後の祭り。
しかも、これらはいわば無計画な成り行きまかせのリフォームであるから、実際の使い勝手も、暮らし心地も満たされるとはいいがたく、不満ばかりが残ってしまう結果になりがちだ。
そんなことからか、リフォームするくらいなら新築を、建て替えをという時代がしばらく続いてきたが、その状況も大きく変わりはじめてきた。
エコ精神の目覚めもあって、計画的に本格的にやれば、リフォームもなかなかいいじゃないか、という流れになってきている。
実際に、パッシブソーラーである健康住宅をもっぱらやってきた、私たちの仕事にもスケルトンリフォームをはじめ、マンションや一戸建てにかかわらず、いろいろな形でのリフォーム仕事が住まい手から背中を押されるようなかたちで始まっている。
リフォームで本格的に健康住宅にとか、個室だらけの間取りを広がり空間にしたいとか、基本的には小手先では済まない大がかりなものが多い。
本物の漆喰、自然素材、広がり空間などの間取りのあり方、断熱や結露、湿気に対するノウハウ、自然エネルギーを巧みに利用するパッシブソーラー技術などをリフォームに応用していきたい。