我が子に語る家と暮らし  第8話  マンションの選択も

生活の利便性ということに着目すればマンションという選択肢も捨てがたくなる。前回のテーマである庭という観点から見ると、庭が面倒だと感じている方にはマンションは魅力的でもある。 

住いの快適性を論じる時、自分たちでは選択しようのないことがある。それは近隣との人間関係だ。一戸建てであれマンションであれ、それは変わらないが、マンションには上下階の関係も加わるので一戸建てよりも要素は多いのかもしれない。一方でマンションの人間関係は希薄でも済まされるという点もあるのだが。 

一度購入して住み始めると簡単には移動できない、それが住まいの宿命であるが、住めば都という場合が実際には多そうなので、その点はあまり深刻に考える必要はないのであろう。 

健康性と温熱環境の理想を求めてPAC住宅を40年余り追求してきたが、そうした眼でマンションを見ると、現状は理想からは程遠い。 

健康な住まいの温熱環境、そのあるべき姿は言葉で言えば簡単だ。 

まずは健康で安全な素材で構築されている事。さらに、住まい全体の温度と湿度そして室内換気が四季を通して適切に保たれている事。 

これらができていれば、相当に健康で快適に暮らせる。これらの要素をマンションで考えてみる。 

まず健康で安全な素材でつくられているか、という点であるが、コンクリートは一応安全と考えると、部屋を構成する材料と設備機器類をチェックすればいい。有機性揮発物質いわゆるVOCが含まれていなければ合格である。VOCは時間と共に気化してしまうので、10年も20年も経っているマンションであれば、建材や設備に使用されたVOCはほとんど気化して抜けてしまっているので安心といえる。そうしたマンションに住んでいる場合は下手にリフォームしないほうがいい。 

最近は安全で健康な素材で構築された建材や設備機器は普通にあるので十分にチェックして使用すれば問題のない時代にはなってきた。 

しかし住い全体が、適切な温熱環境と室内換気を保つという観点からは何ら進歩は見られない。相変わらず南北の温度差は相当に大きいし、水回りの湿度も結構高い、室内換気を促す風通しも悪い。しかも機械設備だけでは簡単に解消できないので厄介だ。 

これらの問題点は部屋全体の改築ができれば解消可能である。PAC住宅の基本的技術である全ての部屋の周り、すなわち床の下・内壁の裏・天井の上に、流れる空気を365日つくる。その空気を、冬は暖かく夏は涼しくできれば、建物内は365日、安定的な温熱環境を保てるし工夫を加えれば室内換気も確保できる。 

お客様の声

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