「仮面夫婦が仲良く暮らす家」2

仮面夫婦は理想の姿かも

仮面夫婦に伴うマイナスイメージを取り払うと、意外な感じが出てきた。夫婦の理想形は仮面夫婦なのかもしれないと。

これは何も夫婦に限ったことでなく全ての人間関係に当てはまりそうだが、ここでは夫婦というテーマに絞りたい。

夫婦は人類が絶滅しないためのユニットだ。大変な役割を担っているわけだが、ここではもう少し気楽に考えていきたい。

二人の男女が縁あって一緒に暮らしている、それを夫婦としよう。

自分とは異なる人間が大切なパートナーとして共に生活をしているわけだ。人は自分のことを理解して欲しい、分かって欲しいという本能がありそうだ。となれば当然それを最も期待するのがパートナーに対してということになるだろう。

出会ったばかりの時期、恋愛中、熱々の時期は、半分以上目くらまし状態になっているから、お互いに分かっている、理解されているという気分になっているが、それは錯覚に過ぎない。

時間が経てば、「あばたもえくぼ」が「えくぼもあばた」と逆になる。それはほとんどの夫婦が経験していることだろう。

この時間の経過という魔物には抗しがたい。輝くものは色あせる。珍しいものが普通になる。新しいものも古くなる。存在するものは普通になる。

私の子供の時代は、道徳という授業があった。その内容はとっくのとうに忘れさり跡形もないが、一つだけ残っていることがある。

それは「人間には悪い心と良い心が同時にある。立派な人になるには、悪い心に打ち勝って、いつも良い心でいなさい。」こんな感じのことだ。

これは子供心にも分かったような感じがした。そして良い心でいると何か自然に心地良かった感じがしたことを何となく覚えている。

非常に単純な話だが、意外と人の心はこんなものかもしれない。良い人という本当の自分が芯にあるわけでもなく、悪い人という自分が芯にあるわけでもないだろう。

良いも悪いも玉ねぎの皮一枚に過ぎないのかもしれない。玉ねぎの皮は、人間でいえば仮面だ。

玉ねぎの皮をむき切れば何もない。人の仮面を脱ぎ切れば、やはり何もない。かっこよく言えば「無」だ。それはもはや人間の領域にはない。神仏の世界だ。

そうであれば、良い人という仮面を上手につけているほうが人生意外といいのではないか。仮面夫婦をそういう観点から見つめなおせば意味合いが違ってきそうだ。

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