「イマドキの二世帯住宅」第8話 甘えると、ぼける

甘え方も難しい。上手に甘えると人間関係は円満になる場合もあるが、依存する、まかせっきりにするという甘え方ではうまくいかなくなるケースが多いだろう。 

二世帯住宅での甘え方もいろいろであろう。上手に甘えることができれば潤滑油になるだろうし、下手な甘えであれば火に油を注ぐことにもなる。 

二世帯住宅を新築する場合、多くのケースは、親の土地に建てるという例が多い。土地を親が提供し、建築費用を子供が負担する。もちろん建築費用は双方がという事例も少なくはない。 

住居がなければ二世帯での暮らしは始まらないので、建てるまでは双方納得の上であり、この段階でもめるケースは例外だろう。 

考えなければいけないのは、暮らしが始まってからの事だ。何事も普通になってから、日常に落とし込まれてからの方が問題は多くなる。しかも、しっかりと意識される問題というよりは、無意識的に発生してしまう潜在化している何かに気を付けなくてはいけない。 

その気を付けなければいけない事の一つは、「お互いの利便性を考えた助け合い」ときれいに名前を付けられた「甘え」に潜んでいそうだ。 

二世帯住宅の暮らしの多くは双方の助け合い、それは金銭的な場合も、人力的な場合もあるが、ともに手を携えあうということが前提にある。事前にしっかりと話し合われているケースもあるし、暗黙の了解的な流れに任している場合もある。 

これ自体はとてもいいことだし必要なことであろう。 

この必要であり素晴らしい行為の中に潜んでいる甘えが、表面に顔を出してくると雲行きは怪しくなってくる。 

福祉関係では「自立と尊厳」という言葉をよく耳にするが、二世帯住宅においても基本的精神は同じであろう。どちらかがまかせっきり依存しっぱなし、あるいは、双方が単に便利使いするだけであれば早晩その関係は悪化する危険性が高い。 

お互いの生活を尊重しあい、その生活が少しでも楽しく楽に成り立つように、双方ができることをしあう、見かけ上の形は一緒でも、心の底に流れる気持ちがどうであるかが問われているのだと思う。 

人は誰しも自分で自分のことをしなくなったり考えなくなったりすると頭の回転が鈍ってくる。その第一歩が甘えという名の依存に潜んでいる。 

大切な家族あるいは自分自身の人生をしっかりと全うさせるためにも、お互いの思いやりと自立した心をしっかりと持ち続ける必要があるだろう。そのためには時には厳しさも必要になる。その厳しさは愛に裏打ちされている。 

お客様の声

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